パーマかけた日にシャンプーしてもいい理由!化粧品開発者が解説

パーマかけた日にシャンプーしてもいい理由!化粧品開発者が解説

「パーマをかけた日はシャンプーしないで」と美容師の方から止められましたか?

美容系のニュース、友人などからも聞いたりしているかも知れません。

一日でも長くパーマを維持したいから、当日はシャンプーしない!という考える方もいます。しかし、パーマかけた当日にシャンプーをすることで、パーマが落ちるという根拠はありません。

しかし、パーマが取れる事とは別でやめた方がいい理由はあります。

この記事では、パーマ後のシャンプーについての真実をお伝えします。

ヘアカラー後のシャンプーについては下記の記事で詳しく解説しています。

ヘアカラー後にシャンプーは可能?カラー長持ち方法~どうしても洗いたい方へ

パーマ後のシャンプーはいつから?

パーマ後のシャンプーは当日から可能
パーマ後のシャンプーは当日からok

パーマ後のシャンプーは、当日から可能です。

ただし、髪の毛が傷みやすくなっているので、洗浄力の弱いアミノ酸・弱酸性のシャンプーを使うか、湯シャンをおすすめします。

パーマ液は、パーマを定着させるものであり、薬剤を髪の毛の内部に残して定着させるものではありません。ヘアカラーは髪の毛の内部にカラーを定着させますが、パーマはヘアカラーとは異なります。

つまり、シャンプーで、髪の毛の内部からパーマ剤が流れたとしても、パーマは取れません。

パーマ後24時間はシャンプーをしない方が良いと言う意見もありますが、薬剤の種類や髪質など、さまざまな要因で決まるため、シャンプーがパーマを落ちやすくする要因ではありません。

パーマをかけた日にシャンプーするとパーマが落ちる根拠は乏しい

パーマ後のシャンプーをしてはいけない理由は根拠に乏しい

パーマかけた日にシャンプーはしてはならないことに、はっきり根拠と理由はありません。

パーマ剤のメーカーで構成される業界団体、日本パーマネントウェーブ液工業組合の使用上の注意自主基準などでも触れられておらず、美容師の方が発信する情報でも意見はさまざまです。

ネット上の記事サイトに「パーマ当日にシャンプーしないで」という記事がいくつもありますが、科学的に知見に基づいた「時間の根拠」やパーマが落ちやすくなるメカニズムは添えられていませんでした。ですから、使用しているパーマ剤やご自身の髪質をよく知る美容師に相談した上で、パーマ後にシャンプーをするのであれば問題はないと言えるでしょう。

基本的に、カラーは髪の毛の内部に染料を残して色を定着させますが、パーマは施術中にパーマを定着させるためにパーマ剤を使うものです。

残留薬剤があると、髪の毛が濡れたときにアルカリに傾き、髪の毛を痛める原因になりますので、むしろシャンプーで流していくべきです。

1回のシャンプーの界面活性剤程度で簡単にパーマは取れません。

パーマかけた日は髪の毛のダメージを受けやすい

パーマのメカニズム
パーマのプロセスは髪の毛を傷めてしまう

パーマかけた日は、髪がダメージを受けやすい状態になっており、シャンプーは髪に過度なダメージを与えてしまいます。

「パーマをかけた当時にシャンプーしてはならない」と言われる理由は、髪が傷みやすいためです。

パーマをアルカリ性の1剤と、弱酸性の2剤を使用しますが、1剤であるアルカリ性のパーマ液が使用されることで、髪のキューティクルが開き、髪の毛の内部の結合構造が切断され、2剤の弱酸性のパーマ液より再結合させ、キューティクルを閉じていきます。この過程により、髪の毛が傷みやすくなります。

界面活性剤、摩擦、タオルドライの摩擦、ドライヤー熱などの負担がパーマをかけた日の髪の毛にかかるため、それにより髪が傷むことになります。

髪にダメージがあると、パーマが落ちやすくなります。もしシャンプーをするなら負担がかからないよう配慮しましょう。

パーマ当日にシャンプーをしてはいけない理由があるとすれば、パーマが落ちる心配よりも、髪の毛に対するダメージの方を気にすべきです。髪の毛が傷んでしまうと、パーマが落ちやすい髪の毛になってしまいます。

シャンプー以外でパーマ後にやってはならないこと

シャンプー以外でパーマ後にやってはならないことは主に5つあります。

  • 同じ日にカラーリングをすること
  • ヘアアイロンやコテを使うこと
  • 濡れたまま寝ること
  • 頻繁にブラッシングや手櫛をすること
  • 過度に紫外線を浴びること

パーマ後は、シャンプーでパーマが取れる心配をするよりも、髪のダメージの心配をしましょう。

1つずつ紹介していくので、パーマ後の髪を労わりましょう。

同じ日にカラーリングをする

カラーリング
パーマと同時にカラーリングは避けましょう

髪にダメージを与えるので避けましょう。パーマもヘアカラーも、髪を化学的に処理しているので、両方を重ねることで大きなダメージを与えてしまいます。

日本パーマネントウェーブ液工業組合が制定した使用上の注意自主基準にも、毛髪や皮膚を傷めるので、染毛してから1週間以内は使用を避けるように明記されています。

髪のダメージを避けるためにも、パーマとカラーの同日の施術は避けましょう。

ヘアアイロンやコテを使う

高温のヘアアイロンやコテをあてることも、髪にダメージを与えるので避けてください。

髪は熱によって変性するからです。乾いた髪のタンパク質は180℃程度で変性し、湿った状態だとさらに低い温度でも変性することが報告されています。ただでさえ髪が傷んでいるパーマ後は、ヘアアイロンやコテの使用は避けましょう。

髪が濡れたまま寝る

意図しないクセがつくので、乾かしてから寝ましょう。髪のクセやうねりを左右する化学結合の中には、水分の影響を受けるものもあるからです。例として、雨の日には湿度によりこの化学結合が切れ、クセやうねりが出て、髪型が膨らみやすくなります。せっかくきれいにパーマができても、クセを直すために髪をいじる手間がかかれば、パーマが取れやすくなるので、必ず乾かしてから寝ましょう。

頻繁にブラッシングや手櫛をする

手櫛は髪の毛の油分と水分を奪う
手櫛は髪の毛の油分と水分を奪い乾燥します

頻繁なブラッシングや手櫛で力を加えると、髪がダメージを受けるので、避けましょう。髪のキューティクルは物理的な力ではがれ落ちてしまうからです。影響の例として、ブラッシング時間が長いほど、枝毛が発生しやすいとされています。パーマの後は薬剤でのダメージも受けていますので、頻繁なブラッシングや手櫛を避けて、髪へのダメージを抑えましょう。

強い紫外線にあたること

パーマのもちに影響するので、強い紫外線は避けましょう。わずかではありますが、髪も紫外線のダメージを受けて変性するからです。屋外で仕事をしている方はパーマがかかりやすく、とれやすいとされており、原因として紫外線による髪のタンパク質の変性が示唆されています。パーマの後は髪に紫外線をあてることは避けましょう。

パーマをかけた日にシャンプーするときの注意点

美容師に相談の上で、パーマ後にシャンプーをすることは問題ありません。もし担当の美容師の方が「パーマ液が流れ出て、パーマが崩れるからダメ」という理由でシャンプーがNGと言われた場合は、真意を伺った方が良いかと思います。

髪の毛がダメージを受けやすい髪になっているので、細心の注意が必要です。雑にシャンプーをしてしまうと、髪にダメージを与えることになります。

ダメージを与えることにより、パーマのもちが悪くなる可能性はあります。

ドライシャンプーを使う

髪を濡らすことなく洗えるので、パーマ後の髪をやさしく扱えます。

髪を濡らすと、水の重みがかかるため、余計な力が加わることになるからです。ドライシャンプーは水を使わないので、水の重さがかかることを回避できます。パーマ後に、濡らさずに洗いたい場合は、ドライシャンプーを利用すると良いでしょう。

湯シャンにして頭皮を中心に洗う

湯シャンの効果

湯シャンで頭皮を中心に洗えば、髪に触れる頻度を少なくしながら洗えます。シャンプーやトリートメントを髪になじませる手順が省けるからです。パーマをかけた髪に触れる頻度を減らせば、髪に物理的な力をかけることも減らせて、パーマのもちをよくすることにつながります。髪には触れたくないけれど、洗いたい場合には湯シャンは選択肢の1つとなり得るでしょう。

アミノ酸・弱酸性シャンプーで洗う

マイルドなシャンプー

パーマの後に髪を洗う際は、アミノ酸系洗浄料などを使用した弱酸性のシャンプーを使いましょう。アルカリ性のパーマ液によるダメージを受けているからです。シャンプーの中にはアルカリ性に寄せて洗浄力を高めているものもあるため、髪を洗うことでアルカリによるダメージを重ねてしまう可能性があります。パーマ後の髪には、アミノ酸系洗浄料などを使用した弱酸性のシャンプーがおすすめです。

すぐにドライヤーで乾かす

シャンプー後のドライヤー

洗った後、すぐに髪を乾かせば、余計なクセをつけずに済みます。髪のクセやうねりは水分の影響を大きく受けるからです。濡れたまま放置すれば、意図しないクセが付いてしまい、せっかくきれいに仕上がったパーマが崩れる可能性もあります。パーマ後に髪を洗った際は、素早くドライヤーで乾かしましょう。

まとめ

使用したパーマ剤やご自身の髪質をよく知る美容師に相談した上であれば、パーマをかけた日にシャンプーをしても問題はありません。パーマが安定する時間に関する科学的な根拠は示されていないからです。説明書などにも一律に記載されているわけではありません。ご自身の髪質や薬剤に応じて、シャンプーをするか否かを決めることがベストです。

 

ヘアケアカテゴリの最新記事