「髪のダメージが消えない・・・」
髪は日常的にダメージを受けています。ダメージの原因は主に6種類です。
- 紫外線によるダメージ
- シャンプーによるダメージ
- すすぎによるダメージ
- 摩擦によるダメージ
- ドライヤー熱によるダメージ
- ケミカルによるダメージ
この記事では、髪のダメージが気になる方へ、髪に対する日常的なダメージと、各ダメージの防止策を1つ1つ紹介していきます。
紫外線(UV)による髪ダメージ
髪は紫外線によりダメージを受けます。メラニン色素が強い髪は肌よりダメージを受けにくいですが、それでも強い紫外線をh甲時間受けると髪ダメージがあります。
紫外線UV-Aは特に髪の毛が傷む
紫外線には種類があり、UV-A、UV-B、UV-Cの3種類で構成されています。紫外線の95%はUV-Aで出来ており、UV-Aは髪にあたると内部に吸収され、髪を構成するアミノ酸が別物質に変性します。これにより髪のケラチンタンパク質がダメージを受け、結合が切れます。同時に、酸化によって髪にダメージを与える「システイン酸」が生成されます。このシステイン酸は、濡れた髪の状態で紫外線を浴びると、更に生成が加速されます。
夏場のプールや海などの後、髪が痛んだという経験はありませんか?
濡れた状態で紫外線が浴びると、特にダメージを受けてしまうので、そのダメージが原因の可能性があります。
髪が濡れた場合、極力紫外線が当たらないように気を付けましょう。
時期・時間による強力な紫外線ダメージ
時間帯と季節により紫外線の量が異なります。
- 5月~10月
- 10時~14時
5月~10月の10時~14時は特に紫外線ダメージに気を付けましょう。
シャンプーによる髪ダメージ
日本人は毎日シャンプーするのが習慣となっていますが、世界を見渡すと毎日シャンプーする方が珍しい現状があります。シャンプーの適度な頻度や洗浄力について理解しておかないと、シャンプーにより髪はダメージを受けます。
日本人シャンプーし過ぎ問題の記事は下記にもまとめています。
毎日シャンプーで髪の毛は痛む
アメリカでは、毎日シャンプーする人は23%しかいません。中国等のアジアでも2~3日に1回のシャンプーです。シャンプーの界面活性剤はタンパク質を分解する作用があり、シャンプーの泡に長時間、頻繁に髪をさらしてしまうと、髪は傷みます。日本人はシャンプーをし過ぎている事を自覚する必要があります。
最近では湯シャンに挑戦する人も増えています。湯シャンについてはデメリットもかなりあり、下記に纏めています。
洗浄力の強いシャンプーは髪の毛が傷む
シャンプーの洗浄成分には様々な種類があります。
- 硫酸系
- 石けん系
- オレフィン系
- ベタイン系
- アミノ酸系
などなどです。細かく分類していくと更にありますが、硫酸系、石けん系、オレフィン系は洗浄力が強く、髪タンパク質を分解する力が強いです。
アミノ酸系は洗浄力が弱いため、ダメージは少ないですが、アミノ酸系の場合、「すすぎ」に気をつける必要があります。それは次の項目で説明します。
シャンプー選び、シャンプーのやり方などを覚えて、髪ダメージを軽減しましょう。
すすぎによる髪ダメージ
シャンプー・トリートメント等の後は、必ずすすぎますよね。実はこの「すすぎ」の方法も理解しておかないと、シャンプー・トリートメントをする度に髪にダメージを与えてしまっている可能性があります。詳細については下記の記事でも説明しています。
すすぎ残しは髪の毛が傷む
すすぎ残しは、特にシャンプーの場合に当てはまります。シャンプーの界面活性剤はタンパク質を分解する作用がありますので、すすぎ残しがあると、髪にダメージを与え続ける事になります。
すすぎ方はシャンプーの種類によって異なる
洗浄力の強い硫酸系やオレフィン系は、すすぎが少な目でも洗い流せます。逆にアミノ酸系はよくすすがないと、髪に残りやすくなります。シャンプーの種類によってすすぎ方も変えていくことが必要になります。成分によっては、熱や摩擦、そして紫外線からも髪を守る成分が配合されている場合があります。
すすぎ過ぎると、逆に髪を守る成分が無くなり、髪ダメージを与えてしまいます。
すすぎ過ぎは髪の毛が傷む
次にすすぎ過ぎによる髪ダメージを解説します。
コンディショニング成分を落とし過ぎ
こちらは特にトリートメント/コンディショナーになります。トリートメント/コンディショナー等に配合されているコンディショニング成分は、すすぎ過ぎる事により流れ落ちてしまいます。
すすぎによる長時間の摩擦
これは次の「摩擦による髪ダメージ」でも解説しますが、すすぎはある程度の摩擦が生じます。すすぎ時間が長いとその分、摩擦がかかる為、すすぎ過ぎは髪ダメージが起こります。
すすぎ残し、すすぎ過ぎがないようにしましょう。
摩擦による髪ダメージ
摩擦はキューティクルが乱れる原因です。特に髪が濡れている状態は、摩擦のダメージをより強く受けてしまいます。
シャンプー・タオルドライ・ブラッシングの摩擦
日常的に行っているシャンプー、タオルドライ、ブラッシングに摩擦は生じています。
シャンプーによる摩擦
シャンプーは過度な摩擦がかかります。またシャンプーの界面活性剤はタンパク質を分解する作用がある為、シャンプーをつけた状態で強い摩擦を与えてしまうと、髪ダメージはかなり強いものになります。
シャンプーは良く泡立て、その泡で髪を包み、マッサージするように優しく洗うのが大切です。
タオルドライによる摩擦
タオルの繊維は固く、ギザギザしているものなので、タオルは強い摩擦がかかります。
タオルは髪を包みこみ、手で軽く押しながら、水をタオルに吸収させるイメージで使いましょう。
ブラッシングによる摩擦
ブラッシングも摩擦がかかりますが、髪が濡れた状態のブラッシングは特にキューティクルが乱れます。
ブラッシングはタオルとドライヤーで軽く乾かした後に使いましょう。
髪いじり・手ぐしによる摩擦も侮れない
髪を手で何気なくいじっていませんか?
手櫛は髪の水分・油分を奪ってしまいます。更に摩擦がかかる為、髪ダメージがあります。水分・油分を奪いながら、摩擦を与えるという、髪にとって好ましくないのが手櫛です。
スタイリングが必要になった時は、なるべく櫛を使いましょう。
熱による髪ダメージ
髪の毛の表面は熱に弱く、ダメージ毛の原因になります。ドライヤーの温度は100~120度程度が多く、ドライヤーの熱を当て続けると、髪の毛の水分が蒸発するばかりか、タンパク質が熱変性を起こします。
熱変性とは、熱を与えることで、物質の特徴が変わることを言います。
■例
- 生卵がゆで卵や卵焼きに変化
- 肉を焼くと縮む
髪のタンパク質が変性を起こすと、髪の乾燥やパサつきだけでなく、カラーやパーマにも影響が出ます。
- パーマのウェーブが出にくくなる
- パーマで毛先がボロボロになりやすい
- カラーが退色する
- カラーが上手く乗らず色がキレイにならず、ムラも出る
などの影響があります。
ドライヤー・ヘアアイロンによる髪ダメージは大きい
髪の熱変性は130℃から起こります。ドライヤーは、100~120℃ではありますが、長くあて続けると温度が上がっていき熱変性に繋がります。
ドライヤーは出来るだけ短時間で終わらせ、髪との距離を15~20センチほどあけ、同じ場所に当て続けないようにしましょう。
ヘアアイロンは温度が高いと200℃程度まで上がるものもあります。
ヘアアイロンは温度が高いため、使う頻度には注意しましょう。
詳細は下記の記事にもまとめています。
ケミカルによる髪ダメージ
ケミカルによる髪ダメージは、カラーやパーマで使用する薬剤が髪に与えるダメージのことです。カラーとパーマではダメージの質が異なるので、それぞれ解説していきます。
パーマ液は髪が傷む
パーマは髪の内部へのダメージが大きいです。1本の髪の内部は、コルテックスという繊維状のタンパク質の束があります。そのコルテックスの更に内部でシスチン結合があり、これが髪の「クセ」を作っています。この結合を一度切断し、ロッドでクセをつけ、再度結合させていき、パーマは完成します。
カラー剤は髪が傷む
ヘアカラーは特にキューティクルへのダメージが大きいです。髪にカラーを入れるための酸化染料や、アルカリ剤は、キューティクルを剥がしながら、カラーを髪に入れていくことになります。これによりキューティクルが乱れると共に、髪とコルテックスをつないでいるCMCや、毛髪内部の栄養分も流出していきます。
また、髪のメラニン色素も分解していく作用もありますので、紫外線のダメージをより受けやすくなります。
パーマとカラーは髪を確実に痛めるため、ダメージケア効果が高いヘアケアを選ぶ必要があります。
まとめ
日常的に髪にダメージはかかっています。まずはそのダメージの種類を知り、1つ1つ対策を意識していくだけでも、髪の状態は変わっていきます。
6種類の髪ダメージを理解し、それぞれに合った対策をしていきましょう。